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中高年に増える帯状疱疹、実は脳卒中の危険性がある!

2020年04月26日

免疫力が低下したり季節の変わり目などで、疲労が蓄積するタイミングで注意したいのが帯状疱疹になります。帯状疱疹は水疱瘡ウィルスが原因になり、痛みを伴う湿疹が出来るのが特徴です。一般的な経過は身体のどこかの部位にチクチクしら前駆症状が出現した後、やがて痛みを感じる部位に紅斑が発生し、引き続いて水疱が発生します。薄い被膜をもつ水疱は容易に破綻するので、皮膚がただれてキズになりカサブタが観察されるようになります。この全期間中にわたって痛みが継続しますが、痛みには個人差があるのが特徴です。軽い痛みですむ患者さんもいれば、激痛のあまリ睡眠不足になる方も。帯状疱疹の後遺症に神経細胞が損傷することによる頑固な神経痛があります。神経痛などの後遺症を残さないためには早期発見早期治療が鉄則です。初期症状では皮膚湿疹や虫刺されと間違われることも多く、市販薬の軟膏で治療しているうちに重症化する事例も見受けられます。

なお、幼少時に罹患した水疱瘡ウィルスは、いちど体内に感染して侵入すると根絶することが不可能で三叉神経や腰周辺の神経があつまる神経節に休眠状態で潜伏しています。しかし免疫力低下や糖尿病などの慢性疾患に罹患すると、神経節に潜伏していた水疱瘡ウィルスが、活性化し増殖を開始して神経細胞にダメージを与える帯状疱疹の発生につながります。神経組織にそってウィルスが感染範囲を広がるので、発疹も線上に連なる症状がしばしば経験されるところです。
このような疱疹の治療は、単純ヘルペスウィルス感染症などに準じて、ゾビラックスやバルトレックスなどの抗ウィルス薬の投与です。
ところで最近海外での、中高年以降の年齢で帯状疱疹に罹患すると脳卒中発症リスクが高まるとの研究報告が公開され注目を集めています。脳卒中のリスクを増大させるとの推測はかねてより指摘されてきましたが、2014年2月にイギリスの大学の研究者による大規模な疫学的調査はこの仮設を裏付けるものだったわけです。その研究報告によると帯状疱疹発症後の脳卒中リスクは、発症後1週から4週で1.63倍、5週から12週で1.42倍、13週から26週で1.23倍といった高い数字です。特に顔面三叉神経などの部位に発症すると、このリスクはさらに高くなることが明らかになっているのです。

顔面の三叉神経などに帯状疱疹が脳卒中のリスクを一層高くするのは、脳組織に近接しており、原因ウィルスが脳血管に乗って炎症を引き起こすことに密接な関係をもつと見られています。
中高年では高血圧などの基礎疾患を有する傾向が顕著なので、帯状疱疹を発症することはより一層脳卒中のリスクを高くすることになります。
他方で抗ウィルス薬により確実に治療した患者群では、脳卒中のリスクを半分程度に下げることも明らかになっています。後遺症の神経痛や脳卒中のリスクを下げるためにも、帯状疱疹を早期発見して治療を完遂することが求められます。