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ものもらいだと思ったら違う!目のヘルペスとは

2020年03月20日

瞼の周りがごろごろしたり、ヤニが目立つなど目に関連するトラブルで比較的遭遇する機会が多いのが、ものもらいになります。特に治療をしない場合でも、2日から4日も経過すれば自然と症状は沈静化していくことが多いので放置しておいても特に問題はありません。しかし、ものもらいに類似した症状でありながら別の深刻な病気が隠れていることも。失明するリスクもあるために適切に治療しなければならない病気の一つに角膜ヘルペスがあります。自覚症状が似ているので、適切なケアがなされないまま放置されるリスクも否定できません。そこで両者の病気の違いや特徴などについて検討してみましょう。

ものもらいは、正式には麦粒腫と言いまつ毛の毛根や汗線などに細菌が感染することで、瞼に炎症が発生するというものです。原因菌は黄色ブドウ球菌であることが多く、汗線に膿が溜まるのでまぶたがはれる、涙目や目やになどの症状が出現します。自然治癒することもありますが、抗生物質の投与や排膿などが主な治療法です。

似通った症状で、ヘルペスウイルスが角膜に感染することが原因で発症するのが、角膜ヘルペスです。角膜は人間の細胞のなかで唯一透明の部分で、視覚を維持するうえで非常に重要な役割を担っています。この角膜に口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス1型(HSV1型)が、感染することで角膜ヘルペスを発症します。角膜ヘルペスは病変部位に応じて上皮型と実質型の2つのタイプに分かれます。上皮型は角膜の表面にヘルペスウイルスが増殖するタイプ。これに対して実質型は角膜の内側でヘルペスウイルスが増殖するタイプで、本来透明であるべき部分に濁りが生じるタイプです。実質型の場合は延焼している部分が円く張れるので、特に円板状角膜炎と呼んでいます。

いずれのタイプも点眼薬で治療します。治療法はヘルペスウイルスの増殖抑制作用をもつアシクロビル配合の点眼薬が中心です。ただしより深刻な視力障害の恐れが強い実質型の場合はステロイドホルモン配合の点眼薬も併用されます。ものもらいと違い、細菌感染が原因ではないので抗生物質は投与しません。

角膜ヘルペスはアシクロビルなどの抗ウイルス薬の登場前は、有効な治療法がなく失明する症例もめずらしくありませんでした。現在では抗ウイルス薬の登場で、失明にいたるリスクは相当低下したものの、角膜ヘルペスは非常に再発しやすい傾向を持っています。中途半端に点眼薬をしようしていると、ヘルペスイルスが治療薬に対する耐性を獲得する可能性が存在しています。そのため角膜ヘルペスと診断を受ければ、根気強く治療に取り組む必要があります。
なお目やにが出る充血する目に違和感があるなどは花粉症の症状にも類似しています。花粉症との最大の違いは両目に症状が出るか否かにあります。花粉症では両目に症状が出現するのに対して、角膜ヘルペスの場合はどちらか片方に症状がでるのが一般的です。